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流行通信

スポーツ雪合戦


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旗を守りながら、いざ敵陣へ。(道新杯小学生雪合戦大会事務局)

 雪玉を固めてぶつけあう雪合戦。雪国の子どもたちにとっては昔からある楽しい遊びですが、最近では決められたルールのもと、雪玉を投げて旗を奪い合う「スポーツ雪合戦」として盛んに行われ、いま子どもたちの間でたいへん人気があります。冬になると、北海道を中心に、各地で大会が開かれるようになりました。


 北海道・旭川市の「旭川東町ポプラ野球部」の9人のメンバーは、全員が小学生です。「北海道の冬は寒くて、雪がとても多いので、野球はできないけど、代わりに外で思いきり動けるから楽しい」とチームのひとり服部揺介(はっとり・ようすけ)くん(6年生)が言うとおり、ふだんは野球チームですが、冬になると雪が積もって野球ができなくなるため、雪合戦チームに変身します。雪合戦の楽しさは「雪玉を相手に思いきりぶつける快感と、フラッグをとる瞬間」だと川崎稜平(かわさき・りょうへい)くん(6年生)は言います。現在チームは、3月5日に開催される道新杯「小学生雪合戦大会」に向けて練習に励んでいます。


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相手陣地の旗を取りました。

 雪合戦のコートは、横36メートル×縦10メートル。4人のフォワードと3人のバックスでそれぞれチームを作り、雪玉を投げ合います。雪玉をかいくぐり、数か所ある高さ約90センチのシェルター(雪壁)をうまく使って、身を守りながら相手陣地を攻め、奥に立てられたフラッグ(旗)を奪えば勝ち。雪玉が当たった選手は「アウト」で、退場しなければならないため、全員がアウトになるとその時点で負けになります。大人の試合では、1セット3分の3セットマッチで、1セットに使える雪玉は90個ですが、子ども用のルールは、大人よりも少し緩めに作ってあるところが多いです。


 雪のない地域の子どもたちも「雪合戦」に夢中です。たとえば、東京都渋谷区の小学生は、体育館でテニスボールを雪玉の代わりにして練習をしています。目指すは2月12日に秋田県大館市で開かれる小学生雪合戦大会「SNOW BATTLE 2006」です。ほかにも雪のない地域の小学校では、主に体育館で、跳び箱をシェルター代わりに使い、野球の練習用のスポンジ・ボールを投げ合っているようです。


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シェルターで身を守りつつ、雪玉を投げます。

 「スポーツ雪合戦」は、北海道の昭和新山のふもとにある壮瞥(そうべつ)町の人たちがルールを考え出し、1989年に初めて「昭和新山国際雪合戦」が行われました。新しいスポーツとして生まれ変わった雪合戦はびっくりするほど評判がよく、やがて全国に広がり、小学生の大会も増えてきました。


 国際雪合戦には、現在では外国のチームも含め、予選を勝ち抜いた190チームが毎年全国から参加しています。すでに海外にも伝わっていて、壮瞥町の友好都市であるフィンランドのケミヤルヴィ市では、ヨーロッパ選手権が開催されています。雪合戦がオリンピックの公式種目になるのも、夢ではないかもしれません。


(2006年2月更新)