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流行通信 妖怪ブーム | ||||||||||||
今年の夏休みに公開された映画「妖怪(ようかい)大戦争」をきっかけに、日本の子どもたちの間でちょっとした妖怪ブームが起きています。 映画のさつえいが行われた鳥取県境港市は、有名な妖怪まんが「ゲゲゲの鬼太郎(きたろう)」の作者、水木しげるさんの出身地。「水木しげる記念館」や、鬼太郎に登場する100体以上の妖怪のブロンズ像が並ぶ「水木しげるロード」があり、「妖怪に会える街」として、多くの観光客が訪れています。
映画公開に合わせて仮装行列「妖怪大行進」が行われたほか、鬼太郎の武器である下駄を飛ばす大会や「妖怪探索(たんさく)ツアー」など、子どもたちが妖怪と親しむイベントが行われました。また全国各地でも妖怪にちなんだ展覧会などが開かれました。 妖怪と言えば、異様な姿、形をしていて、人をおどろかせたり、おそったりするこわい存在。ところが、この映画では、妖怪たちはひ弱ないじめられっ子の少年とともに悪りょうと戦い、世界を救います。 もともと日本各地には、さまざまな妖怪の伝承が残っていますが、妖怪たちはむやみに人をおそうのではなく、悪いことをした人間をこらしめるために出てくることが多いとされています。自然へのおそれが妖怪という形で伝えられたという説もあります。そして、妖怪が住むような場所は自然が多く残っていることから、妖怪を通じて自然保護を考えようという試みも始まっています。 愛知県で開かれた「愛・地球博」(2005年3月25日から9月25日まで)に「自然との共生」をテーマに「ゲゲゲの森」が出店されました。また、6月の「鳥取県の日」には、映画のプロデュースチームの一人で作家の荒俣宏(あらまた・ひろし)さんらが出席してトークショーが開かれ、妖怪と自然環境(かんきょう)との関わりが話し合われました。
一方、鳥取県の地元新聞社は「環境に優しい妖怪」の人気投票を行い、「鬼太郎」の仲間としてまんがに登場する「一反木綿」(いったんもめん)が第1位に選ばれました。鹿児島県大隅(おおすみ)地方に伝わる布の妖怪で、ひらひらと自由に空を飛ぶところから、二酸化炭素を出さない究極の乗り物と評価されたようです。 どうやら、妖怪と自然環境には強い結びつきがありそう。自然を大切にしないと、妖怪におどかされるかもしれません。ご用心。 |