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流行通信
2005年4月

愛・地球博


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竹を使うなど、環境を考えたつくりの日本館(PANA)

 「自然の叡智(えいち)」をメインテーマにした21世紀最初の万博「愛・地球博(2005年日本国際博覧会)」が、愛知県ではじまりました。文化と産業の成果を展示する万博は1851年にロンドンで初めて開かれ、日本では1970年の大阪万博以来2度目となります。今回は、「自然」が持っているすばらしい仕組みを見つめ、世界の人たちといっしょに考えて、すべての命が生きていける地球をつくっていこうというメッセージがこめられています。

 自然を大切にするという考えでつくられた173ヘクタールもの広い会場は、メインとなる「長久手」と「瀬戸」の二つにわかれ、移動には環境に配慮したさまざまな未来の交通手段が取りいれられています。運転手のいない自動運転で隊列を組んで走る次世代交通システム「IMTS(インテリジェント・マルチモード・トランジット・システム)」や純水素燃料電池(じゅんすいそねんりょうでんち)とバッテリーで走る無公害バスなどです。

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歌ったり踊ったりできるNECの「PaPeRo」は人気者(PANA)

 会場のあちこちで公式マスコットキャラクターの森のおじいさん、モリゾウと木のこどものキッコロに出会えますが、愛らしいロボットくんたちも見のがせません。三菱未来館@earthでは日本語一万語がわかる「Wakamaru」が出むかえてくれますし、トヨタグループ館では7台の楽器演奏(がっきえんそう)ロボットが歓迎してくれます。ゆかの掃除(そうじ)やごみ箱の回収をする掃除ロボット、日・英・中・韓の4カ国語で会場案内をする接客ロボットもおおいそがしです。

 人気は冷凍(れいとう)マンモス。ロシア・サハ共和国の永久凍土(えいきゅうとうど)から見つかった、1万8千年前のマンモスの長いきばがついたまままの頭部などが、博覧会(はくらんかい)としては世界ではじめて冷凍状態のまま展示されています。ハイテクを使った展示が目立つ企業パビリオンでは、世界初の360度全天球型映像(ぜんてんきゅうがたえいぞう)、超伝導(ちょうでんどう)リニアモーターカーの鉄道最高速度、時速581キロの世界が体験できる800インチの3D映像にきっとびっくりするでしょう。また、宮崎駿(みやざき・はやお)監督の人気アニメ映画、「となりのトトロ」の主人公、サツキとメイが住んだ家が、映画とそっくりにつくられました。ここは木のぬくもりに育(はぐく)まれた日本人の心のふるさとを思い出させてくれるとおとなにも大人気です。

 世界中の120以上もの国と国際機関がそれぞれ工夫をこらしてお国自慢の展示を競(きそ)っています。アメリカ館は、かみなりが電気であることを発見した科学者のベンジャミン・フランクリンが生まれてから300年になるのを記念して、彼をホスト役にアメリカの自然や科学技術を紹介。ドイツ館では、生物の機能を物づくりに役立てようとする「バイオニクス」をテーマにしています。とう明なキャビンで巨大などうくつを抜け、海中から一気に空高く舞い上がるふしぎな体験ができます。カナダ館ではリアルタイムでカナダ人の家庭と交流、あたらしい友だちができるかも。この感動と興奮が連続の「愛・地球博」は9月25日まで開かれています。

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