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流行通信
2005年1月

ハウルの動く城


ハウルの動く城
『ハウルの動く城』のポスター。(©2004 Nibariki-TGNDDDT)

 前作「千と千尋の神隠し」で日本国内ばかりでなく世界各地の子どもたちや大人までもとりこにした宮崎駿監督の新作「ハウルの動く城」が、2004年11月20日から一般公開されました。この日を待っていた親子連れ、カップル、若者ら、ファンが続々と劇場を訪れ、観客動員数(映画を見た人の数)は公開直後から全国1位へ。宮崎監督のつくり出すアニメーションの人気の高さがわかります。

 今回の映画の主人公は荒地のすそ野に広がる町で父の残したぼうし屋を継(つ)いでいる少女ソフィー。彼女は魔法使いの青年ハウルと知り合ったことがきっかけで、荒地の魔女に呪(のろ)いをかけられ、なんと90歳のおばあちゃんにされてしまうのです。この恐ろしい呪いを解くため、ソフィーはハウルの暮らす城へ乗り込んでいきます。城は4本足で歩く巨大な、そして奇妙な形をした建物で、ハウルと契約を結び暖炉(だんろ)にしばりつけられている火の悪魔カルシファーのエネルギーで動いています。そこで再会したハウルは強い魔法力を持ちながら自分の心の弱さに悩み、戦争に明け暮れる国々の中で生きていく道を探していたのでした。城での奇妙な同居生活を通して、ソフィーは再び少女に戻ることができるのでしょうか?

 イギリス人作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説「魔法使いハウルと火の悪魔」を原作として作られたこの映画の舞台は、19世紀末のヨーロッパの近未来画家たちが思い描いた、魔法と科学が混在する世界をイメージしています。実際にヨーロッパ各地を下調べして描かれた街並みや風景の美しさ、生きているように動き回るハウルの城の面白さなど、宮崎監督ならではのファンタジー世界は2004年第61回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、作品の質の高さや、宮崎監督をはじめとするスタッフの功績(こうせき)が評価されて、オゼッラ賞を受賞しました。

 宮崎監督のファンですべての作品を見ているという橋脇ななみさん(小学1年)は「強いけど、時々泣いたりするハウルがかっこよかった。きれいな山や湖も出てきて、ハウルの城に行ってみたい」という感想を聞かせてくれました。

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