流行通信
2004年11月

ローカルヒーロー

	杉並戦隊イレンジャー（杉並区）

　地域限定で活躍するヒーローが全国に出現しています。その一つが赤、青、黄、緑、ピンクのスーツに身を包んだヒーロー、東京都杉並区の「杉並戦隊イレンジャー」。限りある資源を大切に使うために、スーパーやコンビニのレジ袋を使わず自分の買い物バッグを持っていこう、と呼びかけています。区の広報ビデオに登場したヒーローが好評で、区のイベントや環境キャンペーンにひっぱりだこ。区内では知らない人はいないほどの人気ぶりです。

　モデルになっているのは1975年に始まったテレビ番組「秘密戦隊　ゴレンジャー」。若者がアカレンジャー、アオレンジャーなど色の名前がついたヒーローに変身して、５人の力を合わせて世界征服をねらう敵とたたかい、地球の安全を守るというストーリーです。その後絶えることなくスーパー戦隊シリーズは続き、今は28代目の「特捜戦隊　デカレンジャー」が放送中です。

　それをまねたご当地ヒーローは「○○戦隊　□□レンジャー」と名づけられて、色ごとに役割を持った３〜５人の隊員がその土地ごとの任務を果たすことが多いようです。

　長崎県の平戸市で活躍するのは「平戸防衛戦隊　ひらどしマン」。平戸市を過疎化という「敵」から守るために、町おこしをめざして商工会議所の30代のメンバーで結成されました。クリスマスには入院中の子どもたちを病院に訪ねたり、イベント会場で記念写真におさまるなど積極的にチャリティ活動をしているので子どもたちの人気は絶大です。

テレビ新ヒーロー　ティエスエス（テレビ新広島）

　地方テレビ局から生まれたヒーローもいます。広島県のテレビ新広島（TSS）が開局25周年を記念して2000年に生まれた３人組の「テレビ新ヒーロー　ティエスエス」。テーマ曲、CDなどのキャラクターグッズまで登場する加熱ぶりです。悪者のノイズ将軍が出す「悪事波」から広島の子どもたちを守っています。

　ローカルヒーロー、その数ざっと130以上。文化祭やパーティの出し物などで臨時に結成されるレンジャーは数知れず。次はあなたが町のレンジャーに変身する番かもしれません。