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流行通信 カドケシ | ||||||||
細かい字を消しゴムで消すとき、角があるととても便利ですね。でもふつうの消しゴムは、角が8つしかありません。8つの角が丸くなるともう使いにくくなってしまいます。もっと使いやすい消しゴムがほしい…とだれもが思います。 そこで登場したのがこの消しゴム。角がなんと28個もあります。名前もずばり「カドケシ」。使いつづけても次々と新しい角が現れるので、細かい場所も消しやすいのが最大の特徴です。 たしかに子どもたちに聞いてみると、「消したいところだけ消せるのがいい」「角で消すと力を入れずにすむから楽」と、とても好評です。なかには「かわいくておもしろいデザインが好き」と言う子もいます。漢字をおぼえるのが好きという岐阜県の黒木めぐみさん(小6)は、「まちがえて書いたときでも、へんやつくりをべつべつに消せるからとっても便利」と話しています。
それにしても、10個の立方体をたがいちがいに組み合わせたこのユニークなデザインは、いったいどのようにして生まれたのでしょう? 文具メーカーのコクヨは、2002年から「デザイン・アワード」というコンテストを毎年開催し、だれもが使いやすいデザイン(ユニバーサル・デザイン)のアイディアを一般から募集しています。カドケシは実はその第1回入選作品だったのです。 そのすぐれたデザインが認められたカドケシは、国内ではグッドデザイン賞に選ばれました。ニューヨーク近代美術館(MoMA)で今年4月から9月まで開催された展示会にも、日用品の中で世界的にすぐれたデザインと認められた122点の一つとして展示されたほどです。 デザインはこのようにして選ばれたのですが、製品にするためには問題が1つ残っていました。それは「硬さ」です。この斬新な形状の消しゴムをやわらかい材料でつくると、消している最中にちぎれてしまうおそれがありました。そこで、混ぜ合わせる化学物質の量を調整し、ふつうの消しゴムより硬めにつくったとのことです。 カドケシは、製図やデザインなど細かな仕事をする大人たちも使いはじめるようになりました。コクヨによれば、発売1周年を迎えた今年5月に、売り上げは当初の目標の4万個を大幅に上回り、100万個に達したとのことです。カドケシ愛用者はこの調子でどんどん増えていくにちがいありません。 |