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流行通信
2004年3月

キティちゃん30周年


小銭入れ
キティ製品第一号の小銭入れ (株式会社サンリオ)

 左耳にちょこんと赤いリボンを付けたかわいい子ネコが長い人気を保っています。名前はキティちゃん。1974年にキャラクター商品を考案して販売する会社サンリオで産声をあげました。

 生まれて間もないころは、筆箱やノートなどの文房具、コップ、手鏡などに描かれていました。当時の小中学生の女の子の間ではたいへんな人気を呼び、競うように集めたものでした。お誕生日会ともなるとキティちゃんグッズがプレゼントとして飛び交う光景は、このころから続いています。

 「小さくてかわいくて丸っこいところが好き」と言う川崎市の藤田夏美(ふじた・なつみ)さん(中1・13歳)は、お母さんもキティちゃんのファンです。「服やカラーインクペンなどをたくさん母からもらいました」。なかでもいちばん好きなのは、高さ20cmのぬいぐるみで、ものごころがつく前からずっと夏美さんのそばにいます。

 1996年、数人のテレビタレントや歌手がキティちゃんグッズ集めをしていることがマスコミで報道されるようになると、女子高生や大人(OL)までもがキティちゃんグッズを持ちはじめました。キティちゃんグッズをこよなく愛する人を指す「キティラー」ということばも同時に生まれました。

バッグ
キティ製品も流行スタイルには敏感 (株式会社サンリオ)

 このころからキティちゃんは生活雑貨やキッチン用品など、大人が購入しやすい商品にも次々と進出していきました。今では携帯電話用のポーチなどの小物類はもちろん、テレビ、トースター(トーストの表面にキティちゃんの形をした焦げ目をつけられるものが人気です)などの家電製品、家具、ゴルフバッグなど大きな物にもキティちゃんが見られます。

 また、ネクタイといった男性用商品、さらに変わり種としては、人形焼き(キティをかたどった和菓子)、ノートパソコン、何百もの神社のお守り、内装をキティで統一した「キティタクシー」、「乗れるチョロQ」の愛称で呼ばれる軽自動車「キティQUNO」など、ありとあらゆる分野の商品にキティちゃんが登場しています。

 地域限定商品もお目見えしました。松江市の山本優花(やまもと・ゆうか)さん(中3・15歳)が大切にしているハンカチには、キティちゃんの背後に島根県北部にある宍道湖(しんじこ)が描かれています。「これは松江だけで売られているデザインです。地域によってキティちゃんの後の絵と、着ている服がちがうんです。飛騨高山のも持ってるけど、全国のハンカチを集めたいと思ってます」

 今年で30周年を迎えるキティちゃんは、いまもファンの年齢層を着実に広げています。親子3代のファンも登場しています。

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