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流行通信
2003年12月

「じゅげむ」


子どもたち

「じゅげむ」を動画で見よう!
Real Player / Windows Media Player
(ダウンロードファイル:約800K)

 「じゅげむじゅげむ……」で始まる呪文のような文句をとなえる遊びが、いま日本の子どもたちの間でブームになっています。「じゅげむ」を知らない子はいないといっていいほどです。

 早口で読み上げても15秒はかかる長い文句です。「意味は知ってるの?」と子どもたちに聞いても、だれも知りません。しかし「リズムがいい」「歌を歌っているみたいで楽しい」「早く最後まで言えるようになりたい」とみんな夢中です。

 ブームに火を付けたのは、4月に始まったNHK教育テレビの幼児向け番組「にほんごであそぼ」でした。日本語の豊かな世界を楽しみながら再発見しよう、という番組です。古典芸能をはじめ、詩、小説の一節、故事成語などの中で、思わず声に出して読みたくなる“不思議な魅力のある”ことばを、劇やアニメ、歌などで紹介して親しんでもらうことをねらう番組です。

 日本には落語といって、1人の咄家が舞台の上で、複数の人物が登場するおもしろい話をする伝統話芸がありますが、この「じゅげむ」は昔からある落語のネタのひとつです。生まれたばかりの子どもに長生きしてほしいと願った親が、寺の住職にいろいろ教えてもらった名前をよくばって全部つけてしまった結果、こんなに長い名前になったというわけです。

 「パイポパイポとか、ポンポコピーのポンポコナと繰り返すところがおもしろい」と言うのは石橋知朗くん(11歳)。家にいるときはよく弟の英明くん(6歳)と「じゅげむ」の暗唱をはりあっています。「ぼくのほうがお兄ちゃんより先にぜんぶ言えるようになったんだ」と自慢するほど、英明くんは上手です。「兄ちゃん、そこまちがってる」「そこもちがうよ」と弟の指摘はなかなか手きびしい。でも「英明のほうが先にテレビを見て覚えはじめたんだから、早く上手になるのはあたりまえでしょ」と母親の久美子さんがタネを明かしてくれました。

 それでは、おまちかね、ここで「じゅげむ」の全文をお目にかけましょう。意味がわからないのは日本の子どもたちも同じ。みなさんも、つまずくことなく最後まで声を出して言えるか、挑戦してみませんか。

じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ、かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ、うんらいまつ、ふうらいまつ、くうねるところにすむところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの、ちょうきゅうめいのちょうすけ



写真:「じゅげむ」を披露してくれたお友達。保育園の5歳児です。

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