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流行通信
2003年10月

「手遊び」


手遊びを動画で見よう!
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(ダウンロードファイル:約800K)

 日本の子ども達の間では「手遊び」が今とても流行っています。手遊びとは、手を使うゲームや、簡単な歌を歌いながら友達とリズムに合わせて手を打ち合ったり決まった手振りをくり返したりする遊びのことです。相手さえいれば、ほかに道具も何もいりません。しかも、少しの時間があればできます。校庭で遊べる日の少なかった梅雨(つゆ)の期間中は、どの小学校の生徒たちも、休み時間はこの遊びに熱中していました。

 「学校の休み時間はもちろん、友だちと待ち合わせするときなんか、先に集まった者どうしでいつもやっています。だって2人いればできるから」と言うのは、小学6年生の土田泰佑(たいすけ)君。

 「手遊び」とひと口に言っても、さまざまな種類があります。そのなかから土田君がみんなのよく遊ぶものを紹介してくれました。「何人ででもできる遊びです。まず、じゃんけんで“親”を決めます。全員が両手でグーをつくって、腕をまっすぐ前にのばして左右のグーを合わせます。親になった子は『いっせのせ!』とかけ声をかけ、この『せ』のところで適当な数字を宣言します。かけ声に合わせて全員が、親指を1本立てたり、2本立てたり、または全然立てなかったりします。親も含めて、その立った親指の合計が、親が宣言した数字と合っていれば親の勝ち、合っていなければ負けとなります。勝った親は片方の腕を体の後ろに回し、負けた場合はそのまま。続いて隣の子が親になり同じことをし、また隣の子…と順番に進み、グループの中でまっ先に両腕が後ろに回った子が勝利を得る、というわけです」と、土田君。

 女の子の間で人気が高いのは、歌いながら手の動作を付ける遊びです。これもさまざまな種類があります。一つの例は、2人で向かい合い、いっしょに歌を歌いながら、リズムにのってタイミングよく2人の手と手を打ち合います。動作はパターン化されているため、最初のうちはうまく手と手が合って音が出ますが、歌う速度をだんだん速めていくと口も手も速さについていけなくなって、しまいには笑い声の方が大きくなります。

 彼女たちが歌うのはアップテンポの曲がほとんどです。「私は『アルプス一万尺』が大好き。はじめは難しかったけど、なれると簡単。だんぜん楽しい」と言うのは、小4の小野えりこさん。

 手遊びは最近、クラスのほとんどの子どもが知っているような人気ぶりです。こういった遊びは、明治時代には既に人々に親しまれていましたが、テレビのバラエティ番組のせいで、人気がまた盛り上がっているのです。短い時間に簡単に楽しく遊べる遊びを、いくつかのテレビ番組がとりあげ、なかには全国の小学校から募集した番組もありました。それがきっかけとなって、昔の手遊びが子どもたちの間に復活したと言えるでしょう。

 小学6年生の佐藤望(のぞみ)さんも、歌に合わせる手遊びに夢中です。毎日家へ帰ってくると遊ぶ相手をさがします。お母さんは忙しいため、なかなか相手になってくれません。お父さんは夜にならないと帰ってきません。そこで中3の恵(めぐみ)さんと遊ぶことになります。しかし、さいきんはほとんど相手をしてもらえなくなりました。「受験勉強で忙しいからですって。しょうがないから犬のメイ(3歳のシーズー・雌)に相手をしてもらっています」。



写真:『アルプス一万尺』で手遊びをする小野姉妹。早さが自慢です。

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