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月刊子どもニュース
2004年9月号

こども国連環境会議、東京で開催


水処理施設
東京ドームの水処理施設

 8月18日〜20日、学校や地域で地球の環境問題を考えるエコ・リーダーの育成を目的として「こども国連環境会議」(JUNEC)が東京で開かれました。「小さい時から環境保全を」を合い言葉に、2001年から始まったもので、今年で4回目。今回は中学校1年生から高校3年生まで首都圏を中心に120人が集まりました。

 環境保護の広報活動を考える「環境コミュニケーション」、建設と環境の関係をさぐる「インフラと環境」、資源のリサイクル現場にふれる「エネルギーと環境」の3コースに分かれて、都内の数カ所を見学しました。見学コースでは「可燃」「不燃」に分けたビニールのゴミ袋を持ち歩きましたが、これは学校や自宅にでもゴミを分別していくトレーニングを兼ねたものです。

取材中の子どもたち
メモとカメラで丹念な取材

 「エネルギーと環境」コースの40人が見学したのはアミューズメントパーク「東京ドームシティ」の裏側。ドームの屋根は横から見ると傾いており、下で雨の水を貯めてドーム内でろ過したあとはトイレの洗浄水などに再利用するほか、火災時のために約1,000トンも貯水されています。そのほかには、深夜の安い電気を貯めて昼間に使うNAS電池という仕組みも見学しました。

成果発表をする子どもたち
班ごとに工夫をこらした成果発表(JUNEC)

 中学1年生の御厨苑子さんは同級生の前田莉花さんと一緒に初めて参加しました。二人は環境問題の取り組みを考える中学校のBES(Blue Earth Summit)委員会から派遣されてきました。「ここに来るまではお客さんからは見えない場所に資源をリサイクルする設備があることは知りませんでした。こういう設備があるから私たちが水を使えるわけですね」と、二人は驚きと感謝の気持ちが入り混じった感想を持ったようです。最終日には、見学コースで調べてきたことを班ごとにもぞう紙やパソコン画面にまとめて、全員の前で発表しました。

 この夏アメリカのコネチカット大学で開かれた世界大会にはJUNECのメンバーから2名が参加しました。環境万博とも呼ばれる2005年日本国際博覧会に関連して、来年の世界大会は愛知県豊橋市で開かれるため、来年もJUNECメンバーの世界的な環境活動に期待できそうです。



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