のびる!ひろがる!ロボット化する!
進化する消防車や救急車
火事や爆発事故が起きると真っ先に現場にかけつけるのは、消防車や救急車です。高層ビル火災や化学コンビナートなど、現場に近づくことが危険な場所でおこる事故の増加にそなえ、年々進化を続けています。
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屈折放水塔車
高層ビル火災の時、これまでの「はしご車」に変わり、最近では、折りたたんでいたアームを空高くのばし、先端からねらいを定めて大量の水や泡の消火剤を出す「屈折放水塔車(くっせつほうすいとうしゃ)」が活躍しています。地上からの遠隔操作(えんかくそうさ)で高いところから広い範囲の消火活動を行えることが特徴で、先端に、ガラスや薄い板を突き破ることができる装置やカメラを付けたもの、アームが2カ所で折れて20m以上の高さから放水できるものなども登場してきました。
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世界一大きな救急車「スーパーアンビュアランス」
右:ボディをひろげると、床面積が3倍になる
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車内に8台のベッドをおける
救急車では、超大型の特殊救急車「スーパー・アンビュランス」が注目されています。走行中はただの大型救急車に見えますが、事故現場に到着すると、側面(そくめん)を羽のようにひろげ、車内に最大8つのベッドをおくことができます。たくさんの負傷者が出た大事故の現場で、臨時の救護所として使うために開発されました。
煙や有毒ガスがたちこめて、消防士が現場に入っていくことがむずかしい時は、救出ロボット車の「ロボキュー」がたよりになります。前後左右を見る6つのカメラの目と左右2本の操作アームを持ち、遠隔操縦(えんかくそうじゅう)で危険な場所まで入りこみます。アームで障害物をよけながら倒れて動けなくなっている人を収容し、安全な場所まで帰ってきます。
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救助ロボット車「ロボキュー」
右:ベルトコンベヤーでたおれている人(くんれん用の人形)を助ける
(写真提供=東京消防庁)