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ヨーロッパ向けの「パスタ」タイプの即席麺(日清食品株式会社)
日本で生産されたインスタントラーメンは、アジア各国を中心に43カ国へ輸出されています。日本国内での消費量の7倍以上が海外で食べられている勘定になるそうです。
日清食品の「チキンラーメン」が初めて海外に渡ったのは、国内での発売と同じ1958年。同社の安藤百福社長がサンプルとしてアメリカに送ると、すぐに「500ケースくらい船に積んでほしい」という反応が返ってきたそうです。1964年ごろには早くもイタリアや韓国から、合弁会社の設立の打診や技術導入契約の申し入れが相次ぎました。
現在、日本から海外に輸出されているカップ麺は年間9200万食。それぞれの国ごとの食習慣や味覚の好みに合わせた製品が主流になって、海外で食べられている約412億食のほとんどはそれぞれの国で作られています。
インド向けカレー風味の野菜ラーメン(日清食品株式会社)
例えばアメリカではチキンスープが基本で、ブラジルではトマト味、チーズ味などの人気が高い。ヨーロッパではねっとりしたクリームスープを絡めて食べるタイプで、チキン味、トマト味が好まれます。
アジア諸国では、スパイスが決め手になります。中国向け製品にはウイキョウやシナモン、八角(はっかく)など中国特有の香料が使われます。タイでは、伝統的な辛いスープ「トムヤムクン」をアレンジしたタイプなど辛めの味つけが好まれます。
即席麺に示された「ハラル」の認可マーク。イスラム教国のマレーシアでも「ハラル」食品が販売されています。(日清食品株式会社)
インドでは、牛は聖なる動物、豚はけがれた動物と見なす宗教的な理由で、どちらも食べません。そのため、ビーフやポーク味はなく、野菜だけしか食べないベジタリアン向けのラーメンも生産されています。マサラ(カレー)味が主流だそうです。
イスラム教は、動物を殺すときにお祈りを唱えなければなりません。そうして屠殺された動物の肉は「ハラル」と呼ばれ、食べても構いませんが、「ハラル」以外の肉は食べてはならないことになっています。当然、イスラム教徒の多いインドネシア向けのインスタントラーメンは「ハラルを使用した」との表示をした製品が販売されています。