磁石の力で、世界最高速を達成
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L0系超電導リニア (C)JR東海
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超電導リニアL0系内装の様子 (C)JR東海
1960年代に新幹線の開発を始めて以来、日本は高度な鉄道技術で世界を引っぱっています。電磁場(でんじば)を利用してさらに高速になった日本のリニアモーターカーは、飛躍的(ひやくてき)な進歩を見せています。日本が50年もの歳月(さいげつ)をかけて開発し、最近、有人走行の世界最高速度である時速581kmを記録しました。
超電導リニアモーターという新しいモーターで走ります。これは磁石(じしゃく)の原理が作用しています。磁石のN極とS極は互(たが)いに引き合いますが、同じ極同士(N極とN極、S極とS極)は反発します。この原理を応用して、地上に設置した推進用コイルと車両に設置した磁石との間で引き合う力と反発する力を発生させながら前へと進んでいきます。
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上から見た図
また、地上には推進用のコイルの他に、車両を浮上(ふじょう)・案内させるためのコイルが設置されています。車両に搭載(とうさい)された磁石が通過すると、地上の浮上・案内用コイルに電流が流れて磁界が発生します。そして、車両とコイルとの間で、車両を押(お)し上げる力と引き上げる力が発生し、車両は浮上します。さらに、車両を常に軌道(きどう)の中央に戻(もど)そうとする力が発生します。今までの鉄道では車輪とレール中のコイルの間に摩擦(まさつ)が発生することで前へと進んでいましたが、速度が速くなると摩擦が減り、車輪が空転してしまうのでエネルギーが損なわれてしまいます。ところが、リニア鉄道は車両が浮上しているため摩擦と関係なく走行するので、高速走行できるのです。
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正面から見た図