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ハイテクジャパン

金星探査機「あかつき」


パート1

金星(きんせい)探査機(たんさき)「あかつき」の打ち上げに成功

あかつき

金星探査機「あかつき」のイメージ図。2010年12月ころに金星の近くに到着(とうちゃく)予定。(C)池下章裕/JAXA

あかつき

宇宙に飛び立つ前の「あかつき」の本体。縦(たて)1m、横1.5m、高さ1.4mの箱形で重さは500kg。(C)JAXA

あかつき

2010年5月18日、金星探査機「あかつき」、宇宙ヨット「イカロス」などを搭載(とうさい)して、宇宙に向けて打ち上げられたH-IIAロケット17号機。H-IIAロケットは日本の主力大型ロケットで、世界的にも有数のコストパフォーマンスをほこっています。ロケットの大きさは直径4m、全高53m。(C)JAXA

 2010年、日本で初めての金星探査機「あかつき」が打ち上げられました。地球の気象衛星(きしょうえいせい)のように金星を周回しながら、その気象現象を調べようという世界で初めての試みです。


 地球のすぐ内側に位置する金星は、地球とほとんど同じ大きさで、地球の双子星と呼ばれています。早朝や夕暮れどきに美しく輝(かがや)いているのが観察できます。金星が明るいのは硫酸(りゅうさん)の厚い雲でおおわれていて、太陽光の78%をはね返しているからです。地表にはわずかな光しか届きませんが、金星の大気(たいき)はほとんどが二酸化炭素(にさんかたんそ)で、その温室効果で熱を閉じ込めるため、460度もの灼熱地獄(しゃくねつじごく)になっています。また、金星は、243日をかけてゆっくりと自転していますが、大気はいつも時速400kmというとても早いスピードで西向きに流れています。「スーパーローテーション」とも呼ばれるこの大気の動きは太陽系最大のなぞのひとつといわれています。


 約46億年前に誕生したふたつの星はなぜ異なる運命をたどったのでしょうか。日本の最新技術を結集した「あかつき」がそのなぞに迫ります。