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新機能が続々登場! 日本で起こるメガネ革命


メガネにカメラの機能を追加する「BLINCAM」は、大切な瞬間(しゅんかん)をのがさずに撮影(さつえい)できるカメラです。©BLINCAM

メガネにカメラの機能を追加する「BLINCAM」は、大切な瞬間(しゅんかん)をのがさずに撮影(さつえい)できるカメラです。©BLINCAM

「メガネは視力を補う道具」。みなさんは、そんなふうに思っていませんか? 日本では物を見る以外の機能を持った、新発想のメガネが続々と登場しています。最新テクノロジーが生んだ日本の新型メガネとは、一体どのようなものなのでしょう?

こんなおもしろ機能も! 広がるメガネの可能性

日本には、「こんなこともできちゃうの?」とおどろく機能を持ったメガネや装置が登場しています。中には、視力が良い人も、「かけてみたい!」と思うようなユニークなものもあります。その一つが、自分のメガネに装着すると、ウインクするだけで写真を撮影(さつえい)できる「カメラメガネ」に変身する装置です。センサー付き小型カメラをメガネの側面フレームに装着することで、ウインクするとセンサーが反応してシャッターがおされる仕掛け(しかけ)になっています。

「BLINCAM」は、自分のメガネに取り付けられるカメラ型のウェアラブルデバイスです。ウインクをするとセンサーが検知し撮影(さつえい)する仕組みで、通常のまばたきには反応せず、少し強めのウインクに反応します。©BLINCAM

「BLINCAM」は、自分のメガネに取り付けられるカメラ型のウェアラブルデバイスです。ウインクをするとセンサーが検知し撮影(さつえい)する仕組みで、通常のまばたきには反応せず、少し強めのウインクに反応します。©BLINCAM

この装置をメガネに付ければ思い立ったその瞬間(しゅんかん)に、見たままの風景をカメラに収めることができます。友だちと遊んでいて面白い表情を見た瞬間や、自転車に乗っていて美しい夕焼けに出会った瞬間を、ウインク一つで簡単に記録できるなんて素敵ですよね。

手を使う必要がない「BLINCAM」なら、今まで写真に残せなかった瞬間(しゅんかん)も撮影(さつえい)できます。©BLINCAM

手を使う必要がない「BLINCAM」なら、今まで写真に残せなかった瞬間(しゅんかん)も撮影(さつえい)できます。©BLINCAM

そのほか、スポーツ選手に評判の「動体視力(※)トレーニングメガネ」もあります。一見サングラスのようなこのメガネは、レンズが液晶(えきしょう)でできているのが特徴(とくちょう)です。メガネをかけるとレンズが高速で黒く点滅(てんめつ)するため、動いている物体がとぎれとぎれに映ります。このようにわざと見にくい状態を作ることで、メガネを外すと以前より動体視力が上がるのです。愛用者からは「以前より、サッカーの球がゆっくり見えるようになった」「動体視力だけでなく、ボールの動きを予測する力もついた」と、喜びの声が寄せられています。

※動体視力…動いている物体を目で追い続けるための視力のこと。動体視力が高まると、周囲の状況(じょうきょう)を素早く判断して行動できるようになったり、サッカーやテニス、野球などの球技でボールがよく見えるようになったりするため、パフォーマンスが向上します。

動体視力をきたえる「Visionup」は、成長期にある子どもたちのスポーツトレーニングにも取り入れられています。©株式会社アプリシエイト

動体視力をきたえる「Visionup」は、成長期にある子どもたちのスポーツトレーニングにも取り入れられています。©株式会社アプリシエイト

目がつかれにくくなる! 目をいたわる健康メガネ

また、日本では最近、勉強や仕事で長時間パソコンを利用する人が増え、目の健康に対する意識が強くなったことを受けて、目をいたわる機能を持つメガネが登場しています。例えばあるメーカーは、目にストレスをあたえる光をカットするレンズを開発しました。

目の中には物を見るのに重要な働きをする「ルテイン」という成分が存在しますが、ルテインは、太陽の光にふくまれる紫外線(しがいせん)やパソコンから発せられる光によって損傷を受け、ひどくなると目の病気になってしまうこともあります。このルテインを保護するのが、特殊(とくしゅ)な「ケアレンズ」。目にダメージをあたえる光だけを約94%以上カットする仕組みで、「いつもより風景がやわらかく見える上、目がつかれにくくなった」と、評判は上々です。

特殊(とくしゅ)なレンズ「ルティーナ」は、目に有害な光を大幅(おおはば)カット。目の健康に関わる成分「ルテイン」を保護します。©東海光学株式会社

特殊(とくしゅ)なレンズ「ルティーナ」は、目に有害な光を大幅(おおはば)カット。目の健康に関わる成分「ルテイン」を保護します。©東海光学株式会社

また、目を乾燥(かんそう)から守る「保湿(ほしつ)メガネ」も登場しています。保湿メガネには側面のフレームに水を入れるタンクがついていて、専用スポイトで水を入れて着用するようになっています。すると、タンクの細かな穴から水分が蒸発して周囲の湿度(しつど)が上がり、目のうるおいを保ってくれるのです。

保湿(ほしつ)メガネ「JINS MOISTURE」。側面のタンクから水が蒸発するとともに、フロントフレームの上部が目をおおうデザインになっているため、メガネの外に湿度(しつど)がにげません。©株式会社ジンズ

保湿(ほしつ)メガネ「JINS MOISTURE」。側面のタンクから水が蒸発するとともに、フロントフレームの上部が目をおおうデザインになっているため、メガネの外に湿度(しつど)がにげません。©株式会社ジンズ

心と体の状態が一目でわかる! 最先端(さいせんたん)のIoTメガネ

さらに、目だけでなく、体全体の健康に役立つメガネも注目を集めています。さまざまなものをインターネットに接続させる「IoT(Internet of Things)」技術を活用した、「IoTメガネ」です。

IoTメガネ「JINS MEME(ES)」は、メガネについたセンサーとスマートフォンのアプリが連動。目と頭の動きを計測し、休息のタイミングや自分に合う生活リズムを教えてくれます。©株式会社ジンズ

IoTメガネ「JINS MEME(ES)」は、メガネについたセンサーとスマートフォンのアプリが連動。目と頭の動きを計測し、休息のタイミングや自分に合う生活リズムを教えてくれます。©株式会社ジンズ

具体的な仕組みを説明しましょう。このメガネには、鼻にかける部分と耳にかける部分にセンサーがついています。まず鼻あてと眉間(みけん)の3点にあるセンサーは、まばたきなどの眼球の動きをとらえます。計測データはスマートフォンに送られた後、それをもとに集中力や落ち着きといった「心の状態」を専用アプリの画面で知らせてくれます。一方、耳あて部分のセンサーは、移動と回転の速度を検出し、頭の動きをとらえます。それをもとに体の動きが分析され、姿勢は正しいか、活動量は適切かなど「体の状態」を知らせてくれます。

鼻あて・眉間(みけん)の3点にあるセンサーは、まばたきなどの眼球の動きを計測。現在の集中力・活力・落ち着きの度合いを数値で教えてくれます。 ©株式会社ジンズ

鼻あて・眉間(みけん)の3点にあるセンサーは、まばたきなどの眼球の動きを計測。現在の集中力・活力・落ち着きの度合いを数値で教えてくれます。 ©株式会社ジンズ

耳あて部分のセンサーは、頭の動きから得られるデータをもとに、体のあらゆる動きを分析(ぶんせき)。現在の活動量や姿勢の良し悪しを知らせてくれます。©株式会社ジンズ

耳あて部分のセンサーは、頭の動きから得られるデータをもとに、体のあらゆる動きを分析(ぶんせき)。現在の活動量や姿勢の良し悪しを知らせてくれます。©株式会社ジンズ

このメガネを使うと、生活のさまざまなシーンにおける心身の状態が手に取るようにわかります。例えば勉強しているとき。過去の傾向(けいこう)から休息するタイミングや一日の中で集中しやすい時間帯を知ることができます。また、運動しているときは刻々と変化する体のかたむきがリアルタイムで表示されるため、フォーム改善のために役立てることができます。

視力を補う道具だったメガネの世界にユニークなアイデアと最新テクノロジーがもたらされ、未知の可能性が広がっています。今後、私たちが思いもつかない新たな使い道が生み出されるかもしれませんね。